全国町村議会議長会など地方6団体が設置した新地方分権構想検討委員会の神野直彦委員長(東京大学大学院教授)は、平成18年5月11日、同委員会が取りまとめた「分権社会のビジョン(中間報告)」を地方六団体の代表に提出しました。 中間報告は、「豊かな自治と新しい国のかたちを求めて」と題され、分権改革の視点を示したうえで、地方財政自立のための7つの提言と工程表を提言しています。 提言は、地方税財政制度や国・地方の役割分担などを地方と国が対等に協議する場として、 @「地方行財政会議」を設置することとし、政府と地方の代表者が協議を行う組織を法律で規定するよう求めています。 そのうえで、分権改革の税財政面での具体的方策として、 A 地方税の充実強化による不交付団体人口の大幅増 B 「地方交付税」を「地方共有税」に(名称変更、特別会計に直入、法定率の見直 し、特例加算・特別会計借入の廃止) C 国庫補助負担金の総件数を半減 D 国と地方の関係の総点検による財政再建 E 財政再建団体基準の透明化、首長・議会責任の強化、住民負担の導入 を挙げ、それぞれについて具体的に提言しています。 また、分権改革の推進方策として、平成19年度以降の第2期改革を国民・国会の力で強力に推進するため、F「新地方分権推進法」を制定すること を提言しています。
新地方分権構想検討委員会の「中間報告」を受けた地方6団体は、平成18年5月11日、地方6団体代表者会議を開催し、同中間報告に盛り込まれた7つの提言を実現させるため、地方自治法第263条に基づく意見具申権を行使して、「意見書」を国会及び内閣に提出することで合意しました。 「意見書」の具体的な提出方法や提出時期などは、それぞれの団体での議論を踏まえたうえで、5月31日に開催される「地方自治危機突破総決起大会」までに方向性を打ち出すこととなりましたが、「骨太の方針2006」がまとまる前の6月上旬頃となることが有力です。 なお、地方6団体による意見具申権が行使されることになれば、地方分権推進法の制定等を求めた平成6年9月26日の「地方分権の推進に関する意見書」以来、12年振り2回目のこととなります。
|