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【地方分権】地方分権改革推進委員会が第3次勧告

 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽 宇一郎 伊藤忠商事会長)は、平成21年10月7日開催の第97回地方分権改革推進委員会において、「第3次勧告〜自治立法権の拡大による「地方政府」の実現へ〜」を取りまとめ、8日、鳩山 由紀夫 内閣総理大臣に提出しました。
 委員会は、第1次勧告(平成20年5月28日提出)で、国と地方の役割分担の基本的な考え方として、「重点行政分野の抜本的見直し」、「基礎自治体への権限移譲の推進」、「補助対象財産の財産処分の弾力化」について、続く第2次勧告(平成20年12月8日提出)では、「義務付け・枠付けの見直し」、「基礎自治体への権限委譲の推進」、補助対象財産の財産処分の弾力化」についての提言を行いました。
 今回の第3次勧告は、第1章「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」、第2章「地方自治関係法制の見直し」、第3章「国と地方の協議の場の法制化」の3つの柱で構成されており、主な内容は次のとおりです。

 第1章の「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」については、第2次勧告で見直しを行うべきとしたメルクマール(判断基準)に該当しない4,076条項のうち、特に問題があるとしている
(1)施設・公物設置管理の基準
(2)協議、同意、許可・認可・承認
(3)計画等の策定及びその手続き
に関する1,224条項を精査、検討し、このうち892条項について、廃止又は条例への委任など具体的な見直しの措置を提示しています。
 全国知事会、全国市長会提言等の要望に係る条項については、106条項のうち103条項について見直しを行っています。

 第2章の「地方自治関係法制の見直し」については、地方自治法では、地域住民によって直接に選挙された長とは別の執行機関として委員会及び委員の制度が設けられており、一定の要件に該当する地方自治体に必ず設置しなければならないものとされています。このうち、教育委員会及び農業委員会については、制度が形骸化しているとして、その設置を全国画一的に義務付けるのではなく、委員会を存置するか、長の所管とするかは、地方自治体が地域の実情に応じて自主的に判断し、任意に選択できるように改めるべきとしています。
 また、地方自治体の財務会計について、透明性の向上と自己責任の拡大を図る観点から、財務会計制度を見直すべきとし、その際には、地方自治体の財務会計実務に混乱が生じないように配慮するとともに、財政運営上密接な関係にある国と連動した制度体系を維持する必要があるものについては、国の財務会計制度と一体となった見直しが必要であるとしています。

 第3章の「国と地方の協議の場の法制化」については、地方に関する様々な法令・制度の制定改廃の際には、国は地方自治体の自主性・自立性が確保されるよう現場の実態等を聴取し、事務が円滑に行われるよう万全を期す必要があるとして、国と地方の双方の代表者が一堂に集まる機会をできるだけ速やかに設けることとし、協議の場の法制化について双方の合意を目指すよう求めています。
 委員会は、試案として、名称を国地方調整会議(仮称)とし、協議事項については、国と地方の役割分担や地方自治・地方税財政制度などに関する重要事項としています。
 また、構成については、国側は、内閣総理大臣をはじめ主要閣僚とし、地方側は、地方六団体が指名するものとしています。
 さらに、国地方調整会議(仮称)が有効に機能するために、地方自治法に基づく地方六団体への事前情報提供制度のより厳格な運用を求めています。

 最後に、委員会は、政府に対して、第1次勧告及び第2次勧告で提言した事項とともに、第3次勧告で提言した事項を最大限に尊重し、これらを具体的な指針として地方分権改革推進計画の策定に速やかに着手するよう強く要請しています。
 今後は、第4次勧告に向け、地方自治体が自らの責任で効率的な自治体経営を行うことができるよう、分権型社会にふさわしい税財政構造の構築について、引き続き調査審議を進めることとしています。


資料:第3次勧告


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