総務省は、平成22年2月15日、7階省議室において地方行財政検討会議(第2回)を開催しました。 本会からは野村 弘会長(長野県上松町議会議長)が出席し、意見交換の場において「住民参加のあり方」「自治体の自由度の拡大」について次のような趣旨の発言をしま した。
1 住民参加のあり方 合併特例法が3月末で改正されるが、平成14年の改正の際に導入された「合併 協議会の設置についての住民投票制度」が存続すると聞いている。 この制度は、議会が住民発議による合併協議会の設置議案を否決しても、住民投 票により議会の決定が覆されてしまうものである。 そもそも国策である合併を誘導するために導入された制度を、国の関与を廃止す る今回の措置の中で残すとはどういう理由からなのか。 今回の改正法律案の概要の説明に「障害の除去」とあるが、議会が合併の障害に なると考えているのではないのか。 現実に、この住民投票制度により、長崎県内のある町をはじめ、いくつかの町村 では、住民の間に深刻な対立が生じてしまい、その後のまちづくりに大きな障害と なっている。 自主的になされる合併においては必要のない規定だと思うので、是非この規定を 削除して平成大合併以前の制度に戻していただくようお願いしたい。
2 自治体の自由度の拡大 ○ このたびの地方自治法改正では、全国町村議会議長会が長年に亘って要望してき た「議員定数の法定上限の撤廃」「法定受託事務に係る議決事件の拡大」が行われ る予定であり感謝する。 ○ 行政委員会と同等に、議会事務局の共同設置を可能とする改正も同時に行う予定 であると聞いている。 議会事務局は、二元代表の一翼をなす議会と一体のものであり、個々の団体に議 会があれば事務局も議会に包含される存在であり、別々に存在するものではないと 考える。 単に町村の議会事務局がひ弱だからと言って、共同設置に値するというものでは ない。また、我々もそうした要望をしておらず、実際の運用からみても事務局の共 同設置は考えられない。 現行法の市町村の議会事務局設置の「できる規定」を改正し、個々の事務局体制 を強化する方向性を打ち出すべき。 ○ 「議会の招集権」についは、現行法により議員が招集請求権を行使したにも拘わ らず、首長が議会の招集を行わなかった事例が千葉県内のある町村で発生している。 合併がらみの事例とは言え、首長が議会招集を阻害したことは大きな問題である。 やはり議会には招集権を付与すべきであり、それが議会の自立性を高める大きな ステップと思われる。
なお、会議の場において、国・地方の役割分担や自治体の自由度の拡大、議会改革、住民参加の在り方などを議論する第1分科会、財務会計制度の見直しや監査の強化などを議論する第2分科会が設置され、それぞれ月1回程度の会合を開くことに決定しました。
【第1分科会】 渡 辺 周 総務副大臣 小 川 淳 也 総務大臣政務官 逢 坂 誠 二 内閣総理大臣補佐官 <その他構成員> 岩 崎 美紀子 筑波大学教授 斎 藤 誠 東京大学教授 西 尾 勝 東京大学名誉教授 【主査】 林 宜 嗣 関西学院大学教授 ※専門委員は別途人選
【第2分科会】 渡 辺 周 総務副大臣 小 川 淳 也 総務大臣政務官 逢 坂 誠 二 内閣総理大臣補佐官 <その他構成員> 石 原 俊 彦 関西学院大学教授 碓 井 光 明 明治大学教授 【主査】 西 尾 勝 東京大学名誉教授 ※専門委員は自治体関係者を含むものとし、その人選は別途行う。
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