政策ニュース > 国等の動き


 政策ニュース/国等の動き


【地域主権】地域主権戦略大綱を閣議決定

 政府は、平成22年6月22日、「地域主権戦略大綱」を閣議決定しました。

 大綱は、地域主権改革について、明治以来の中央集権体質から脱却し、この国の在り方を大きく転換する改革であるとし、国と地方公共団体の関係を、国が地方に優越する上下関係から、対等の立場で対話できる新たなパートナーシップの関係へと根本的に転換し、国民が、地域の住民として、自らのクラス地域の在り方について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うという住民主体の発想に基づいて、改革を推進していかなければならないとしています。

 地域主権改革の工程については、前倒しして実施できるものについては、その都度柔軟に前倒しして実施するものとし、大綱に基づく改革の取組の成果等を踏まえ、平成24年夏を目途に「地域主権推進大綱(仮称)」を策定するとしています。

 主な課題は下記のとおりです。

 「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」については、当面の具体的措置として、地方分権改革推進委員会の第3次勧告(平成21年10月7日)で示された見直し対象のうち、地方分権改革推進計画(平成21年12月15日閣議決定)策定の際に見直しの対象とされたもの以外に関し、所要の一括法案等を平成23年の通常国会に提出するとし、さらに第2次勧告(平成20年12月8日)で取り上げられた膨大な事項の見直しに向けて真摯に取り組むとしています。

 「基礎自治体への権限移譲」については、地方分権改革推進委員会の第1次勧告(平成20年5月28日)に掲げられた権限移譲を行うべき事務のうち、68項目251条項に関し、所要の一括法案等を平成23年の通常国会に提出するとし、国は、権限移譲に伴い、適切に既存の財源措置を見直し、市町村に対して地方交付税や国庫補助負担金などに関し確実な財源措置を行うこととしています。また、残された半数近くの条項の移譲の実現に向け、引き続き検討を行うとしています。

 「国の出先機関の原則廃止」については、地方の発意による選択的実施や広域実施体制の整備状況をも考慮の上、地方自治体へ移譲するものや国に残すものなどの類型に区分した整理(「事務権限仕分け」)を行い、その結果を踏まえ「アクション・プラン(仮称)」を年内目途に策定することとしています。

 「ひも付き補助金の一括交付金化」については、各府省の枠にとらわれずに対象範囲を最大限広く設定し、投資に係る補助金・交付金等の一括交付金化は平成23年度以降、経常補助金・交付金等の一括交付金化は平成24年度以降それぞれ段階的に実施するとしています。また、その配分について、地方の事業ニーズや現行の条件不利地域等に配慮した仕組みを踏まえるとともに、総額は、一括交付金の対象となる補助金・交付金等の必要額により設定するとしています。

 「地方税財源の充実確保」については、国と地方の役割分担を踏まえ、地方が自由に使える財源を拡充するという観点から、国・地方間の税財源の配分の在り方を見直すとともに、社会保障など地方行政を安定的に運営するための地方消費税の充実など、税源の偏在性が少なく、税収が安定的な地方税体系を構築するとしています。

 「直轄事業負担金の廃止」については、平成22年度に維持管理費に係る負担金制度を廃止(特定の事業に係るものは平成23年度に廃止)し、平成25年度までの間、国と地方の役割分担の在り方や今後の社会資本整備の在り方等、関連する諸制度の検討を行い、現行の直轄事業負担金制度の廃止とその後の在り方に関して結論を得るとしています。

 「地方政府基本法の制定」については、地域主権改革をさらに進めるため、地方自治法の抜本的見直しに向け、総務省の地方行財政検討会議において検討を進め、成案が得られた事項から順次国会に提出するとしています。

 「自治体間連携・道州制」については、市町村や都道府県相互の自発的な連携や広域連合等の具体的な取組を前提として、連携等の形成に対する支援の在り方を検討し、さらには、地方や関係各界との幅広い意見交換を行いつつ、地域の自主的判断を尊重しながら、「道州制」についての検討も射程に入れていくとしています。

 「緑の分権改革の推進」については、クリ―ンエネルギー、食料、歴史文化資産の活用、地域ブランドの育成、資金の循環による地域経済の活性化など地域において大地から泉のように富が沸き上がっていくような取組を構築するとともに、定住自立圏構想を推進し、過疎地域について、これまでのハード事業に加え、地域の実情に応じた主体的かつ創意工夫に富んだソフト事業に対する支援措置を行うなど、「地域の持久力と創富力(富を生み出す力)を高める地域主権型社会」の構築を目指すとしています。


資料:地域主権戦略大綱


page top ↑