議長会ニュース>本会等の動き>地方六団体の動き


 議長会ニュース/本会等の動き/地方六団体の動き


決議

「決議」の提案説明を行う中川会長

            地方分権改革の推進に関する決議

 我々地方六団体は、昨年8月24日、政府の要請に対し、国庫補助負担金等に関する改革案を提出し、「国と地方の協議の場」を通じてその実現に向けて取り組んできた。しかし、11月26日の政府・与党合意では、税源移譲に係る国庫補助負担金改革をはじめ、今秋までに結論を得るとされている義務教育費国庫負担金等、多くの課題が先送りされ、真の地方分権改革を推進するものとはなっていない。
 我々が進めている地方分権改革は、過度に中央に集中する権限・財源を住民に身近な地方公共団体に移し、地域のニーズに応じた、多様で透明性の高い住民サービスを提供できる体制を確立するものである。このことは、国・地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築にも資する、言わば国民のための行財政改革である。
 このため、政府においては、残された課題に対して、地方六団体の意見が反映されるよう国と地方の協議を進め、平成18年度までの三位一体の改革については、地方の改革案に沿った形で実現し、また、我々が求める平成19年度以降の第2期改革に着手されるよう、このことを「経済財政運営と構造改革の基本方針2005」に明示した上で、真の地方分権推進のための改革に真摯に取り組み、下記事項を実現するよう強く要請する。


1 地方案に沿った3兆円規模の税源移譲の実現

(1)平成18年度までの第1期改革で、3兆円規模の税源移譲を確実に実現すること。

(2)税源移譲は、個人住民税を10%比例税率化することにより実施し、今回の改革で
  税源移譲される個人住民税の姿と、移譲に至る工程を早期に示すこと。


2 税源移譲に結びつく国庫補助負担金改革

(1)政府・与党合意で先送りされた税源移譲額6,000億円に見合う国庫補助負担金
  改革について、政府は早期に具体的な検討を行い、結論を得ること。その際、地方
  の改革案に掲げている社会福祉・公立文教等の施設整備費国庫補助負担金、社会保
  障・文教関係の経常国庫補助負担金を優先すること。

(2)国の財政再建のための生活保護費の国庫負担率の引下げや、税源移譲に結びつかな
  い国庫補助負担金の廃止など、「三位一体の改革」に名を借りた地方への負担転嫁
  は、断固として受け入れられない。

(3)義務教育費国庫負担金については、地方が創意と工夫に満ちた教育行政を展開する
  ため、地方案に沿った改革とすること。

(4)国庫補助負担金の統合や交付金化は、国に権限と財源を残し、補助金としての実態
  に変わりがないことから、改革として認めない。


3 地方交付税総額の確保

(1)「基本方針2004」及び「政府・与党合意」に基づき、地域において必要な行政
  課題に対しては適切に財源措置を行い、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な一
  般財源総額を確保すること。
   また、平成18年度の地方交付税総額を確実に確保すること。

(2)地方財源不足に対する補てんについては、原則に従い、地方交付税の法定率分の引
  上げで対応すること。

(3)地方財政計画については、地方公共団体の財政需要が投資から経常に変化している
  実態を踏まえ、計画と決算との乖離に関し、引き続き同時一体的な規模是正を図るこ
  と。
   また、地方公共団体が計画的な行財政運営を行うため、地方六団体の参画を得て
  「中期地方財政ビジョン」を策定すること。


4 地方財政自立に向けた第2期改革への着手

(1)地方分権を一層推進するため、国と地方の最終支出の比率と租税収入の配分比率の
  大きな乖離を縮小し、地方が担うべき事務と責任に見合った税源配分を実現し、消費
  税を含めた基幹税により8兆円の税源移譲を積極的に進めること。

(2)そのため、現在進めている平成18年度までの改革を「第1期改革」と位置づけ、
  平成19年度以降も「第2期改革」として更なる改革を行うこと。このことを「基本
  方針2005」に明示すること。


5 地方の裁量権の拡大

  地方が自らの権限と責任において主体的に取り組むことができる行財政システムの確
 立のため、地方の自由度・裁量権を大幅に拡大することが必要であり、国庫補助負担金
 の改革と併せて、国による地方自治への関与・規制の撤廃に取り組むこと。
  そのことが、国家公務員の定員削減や国の事務の抜本的な見直しなど、国の行財政改
 革に資するものである。


6 「国と地方の協議の場」の制度化

  「国と地方の協議の場」は、三位一体の改革を推進する上で重要な役割を果たしてい
 ることから、今後、定期的に開催し、これを制度化すること。


7 地方の自己改革

  上記の地方分権改革を推進するとともに、地方は、自己改革に取り組まなければなら
 ない。納税者である住民の信頼に応えるべく、地方公務員の定員管理や給与制度の見直
 しなど、引き続き徹底した行財政改革に取り組んでいく。

 以上決議する。

 
 平成17年6月1日
 
 地方六団体(地方自治確立対策協議会)
  全国知事会
  全国都道府県議会議長会
  全国市長会
  全国市議会議長会
  全国町村会
  全国町村議会議長会 
 地方分権推進連盟


page top ↑