日 時:平成17年11月14日(月)13:10〜13:30 場 所:NHKホール内「リハーサル室」 会見者:全国知事会会長 麻生 渡 全国都道府県議会議長会会長 島田 明 全国市長会会長 山出 保 全国市議会議長会会長 国松 誠 全国町村会会長 山本 文男 全国町村議会議長会会長 川股 博
○麻生全国知事会会長 今日の大会は、いよいよ今月中に、三位一体改革の決着を着けなくてはならないという時期に入り、この決着を我々が希望する地方案に沿って実行すること、また、それを通じて本当の意味での三位一体改革、分権改革の実現を求めていく、その大きな推進力にすることを目標に行ったものである。 場所は、いつもは武道館で行っているが、どうしてもこの時期に会場が取れなかったことから、今回はここ(NHKホール)での開催とした。 幸い全国から満場の皆さんにご出席いただき、そして我々の主張、3兆円の税源移譲、あるいは義務教の問題、6,000億の問題、そしてまた生活保護費の反対の問題等々、それぞれについてしっかりと主張し、また地方としての自己改革の必要性も強く訴えた。 中でも特に、私が「小泉総理大臣」と叫んだのが、合計すると4回。これは、小泉構造内閣の正否を決するのが、この三位一体、国から地方への改革であるということと、特に今年は、最後まで小泉総理がリーダーシップを取ってやっていくことを強く求めると申し述べた。 鈴木内閣官房副長官が総理の代理で来られたが、「明確に今月中に結論を出す。しかもそれは地方の考え方を尊重してやる。」ということを明言された。また、総務大臣も「その方針を明確に支持するという方向で。」との発言があった。武部自民党幹事長も「地方の皆さんと気持ちを一にすることを基本として、この三位一体改革の結論を出す。」ということを明確におっしゃった。また、井上公明党政調会長は、地方の意見を尊重することはもちろん、前回の衆議院選挙の際の政府・与党共通の政権公約を引用し、6,000億円の確実な実現と、その後の改革についても言及があった。 このように、それぞれの皆さんの発言は基本が一致しており、しっかりと結論を出すということと、地方の意見を尊重する、その方向でやっていく、しかも改革はこれで終わらないんだというトーンで貫かれた。それは、我々が求めている方向であり、大きな成果であったと思っている。さらに、この成果を今から具体的に要望活動を行って一斉展開し、この成果を広く定着していきたいと思っている。
○山出全国市長会会長 今日の大会は、参加者も多く、国会議員の参加者も少なくなく、我々としては、良い大会でなかったかと思っている。先程、麻生会長からもお話があったが、武部幹事長は「地方の声を聞く」ということ言っておられたし、井上政調会長は、「地方の理解を得ながら」という表現をなされた。鈴木内閣官房副長官も「今月中に結論を出す」、竹中大臣も「今月中にしっかりした結論を得る」という表現をされており、これを信じたいと思う。ただ、14日正午までという改革案の提示が、今どういう形になっているのか、まだ知らないが、私どもは、この数値に大きな関心を寄せていきたいと思っている。 今日の大会の中で、知事会長と私は、対象の中で生活保護を重要な柱にして話しをした。厚生労働省は、生保、国保を除いて所管する金額は、地方改革案では、約9,500億円あったわけだが、その内、今日まで税源移譲に結びついた額は、わずか878億円という数値であり、私どもは、この厚生労働省を中心に、他の省庁においても地方案が活かされているか大きい関心を寄せて、注視していきたいと思っている。 何度も申し上げるが、総理は「地方案を尊重する」という趣旨を何度も繰り返しておられたので、私どもの関心はこの一点にあるということを申し上げておきたい。
○山本全国町村会会長 地方分権の大会については、今年は今日で2回目であり、当初は、時間的に難しい時期に、皆様にお集まりいただけるかという心配をしていたが、予定どおり市町村長、知事、それから議会の議長さん達がお集まりになり、私は、前回の大会の時も大いに盛り上がったのだが、今回は前回よりも人数が少なかったけれども、盛り上がりに力強さを感じた。 したがって、これからの三位一体の行財政改革の推進のため、地方がさらに強力に一丸となって推進していくという気持ちが新たに決意されたということで、私は非常に評価している。 また、先程から話しが出ているが、残り6,000億円の改革については、地方案を尊重してやって欲しいというのが我々の主張であるが、今のところ諸々の情報が入ってくる中で、そのとおりに進むのかという心配もあったが、この大会で、これは実現可能であるという気持ちになっているところである。 また、来賓の各セクションの責任者の先生方からも、力強い支援をしていただけるというお話しをいただいたので、私どもが計画しているとおりの6,000億円の改革案の実施が可能であると思った。おそらく、来賓の先生方がお話になられたことは、真実であり、自分たちの気持ちをそのまま率直にお話になられたと受け止めている。だから、先生方が力一杯努力していただければ、お話のとおりに実現することは間違いないと思っているところである。 しかしながら、多くの関係者がおられるので、我々地方としては、さらに強力に計画を推進し、真の地方自治体、言うなれば現代的な自主自律のできる地方自治体を作ることが必要であるということを念頭に入れながら、今後とも一層の努力をしていきたいと思っている。 今日の大会の成果は、新しい決意・方針を作り上げることができたという点で非常に評価している。
○島田全国都道府県議会議長会会長 ご案内のように、政治の信頼というものが、ここにきて、これほど大事なものであるということを感じた。先に市町村合併をやり、郵政をやり、そして一番大事な三位一体改革が大詰めに来た。今、地方と国の政治の信頼を失ったらこの国は一体どうなるのかという思いで一杯である。そのために、地方六団体は今日まで一糸乱れぬ結束でここまで来た。このことが今日の大会に大いに反映されたと思う。ご案内のように、会場は非常な熱気であった。地方は本当に精一杯、改革をやってくれ、分権をやってくれ、推進を前に進めてくれという大きな声で一杯である。私は、やはりここに来たら、地方と政府の政治の信頼こそが、一番大事なことであると思っている。 どうか皆様方にも、よろしくお願いしたいと思っている。
○国松全国市議会議長会会長 今回の大会は大成功であったと思っている。今、満場の参加者があったが、全国市議会議長会としては、多くの議長さんにお断りの電話を入れさせていただいた次第である。人数制限があるということで、他の六団体の中で、お断りをさせていただいた位、非常に今、地方にとって、この三位一体の改革は、関心があるし、特に地方議会にとっては非常に関心がある。 山出市長会会長のお話しの中で、特に生活保護の問題の時に、前回の大会で出なかった野次が飛んでいた。「そのとおりだ」と。やはり我々市議会としては、この問題は絶対にあってはならないことだと考えている。というのは、町村合併で、市が増え、これまで町村分の生活保護は都道府県が面倒見ていたところを、市が負担しなくてはならなくなっている事態である。これでもし、生活保護の問題で、地方負担が増えることになると大変なことになる。全国の議長さんからも、これだけは何としても止めてくれという声が届いている。もし国がこれをやるとなれば、国と地方の信頼関係が根底から覆されると言っても過言ではない。とにかく、総理が言われた「地方の意見を尊重する」という案に是非従っていただきたい。私たち地方六団体がなぜこうやって集まっているかというと、それは、小泉総理が「地方の時代である」「三位一体の改革を進める」ということで、私達が結束しているのである。各省庁の皆様もそれをお汲み取りいただければと思っている。
○川股全国町村議会議長会会長 私の方から申し上げたいことは、全国町村議会議長会には、2,562の町村があったが、来年には1,041となるわけで、町村は、行財政改革に一番苦渋を感じ、仲間を無くしながら、協力しているところである。 今日も町村からは、約1,800人の首長と議長が見えているが、町村や議会は今後どうなるのか。三位一体改革がどういった形で町村に影響を与えるのか。皆さんは、そんな思いを持っていることと思う。私は、この色々な問題等について、地方にとって本当に良いことであって欲しいと願っている。今日の大会はそういった意味で、今日出席した皆さんが理解を深めるという意味で効果があったと思っている。
○日本経済新聞 山出会長と麻生会長にお尋ねしたい。 今日の正午の時点で、経産省と総務省からは満額の回答があったようだが、他の省庁からは回答が出ていないと聞いている。一部の省庁では夕方までに大臣の許可を得て出すようだが、厚労省では動きがない模様。そのことについて、どう思うか。
○麻生全国知事会会長 昼からどういう案を各省が出してくるかは分からず、今の段階から先走って言うべき状況ではないと思っている。正午までのところは、きちんと確認したわけではないが、資料によると2省だけ。しかし、午後から回答するという省庁も多いようで、今の段階で色々と言うのは適切ではないと思う。
○山出全国市長会会長 私も先程申し上げたように、今の時点で確実な数値・資料があるわけではないということ前提に申し上げた。早急にコメントすべきではないという思いはあるが、仮に(提示が)難しいということであったら、私は地方案を尊重して欲しいと申し上げた次第であるし、先程、市議会議長会会長もおっしゃたが、もしも地方案を無視するということがあったら、国と地方の信頼関係が無くなることを我々は大変懸念している。
○TBS 義務教育費の国庫負担制度について、今の給与体系が崩れることに非常に不安感を訴える教育現場、学校関係者が多いが、そういった現場にどういったメッセージを送りたいか。
○麻生全国知事会会長 義務教育国庫負担金については、現実には、中学の先生方の給与について、国が負担していたものを、国の負担という形でなく、他の分野、例えば退職金手当等と同じように、地方に一般財源として渡すということである。 当然、給与という点から言うと、地方は、給与不払いには絶対にしないし、そんなことはできない。給与はきちんと払うけれども、その他の色々な可能性、自由度を広げるという形で、やっていきたいということ。そのために一歩でも近づくということを我々は目指している。だからあたかも、負担金を止めたら給与を払えなくなるような、地方側に財源が来ないような宣伝をするのはおかしい。
○中日新聞 各省庁の対応が正式に分かった段階で何らかの声明を出す予定はあるか。
○麻生会長 やりたいと思う。
以上
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