平成25年12月5日、自由民主党本部において、自由民主党道州制推進本部(今村雅弘本部長)は、道州制基本法案骨子案・修正案の説明会を開催し、全国町村議会議長会からは蓬 清二 会長(香川県直島町議会議長)、中川仁志 副会長(岐阜県大野町議会議長)、杣谷和穐 副会長(青森県外ヶ浜町議会議長)が出席しました。 この説明会は、地方6団体に対し行っているもので、今回は本会と全国町村会を対象としたものです。 まず、今村雅弘本部長から、「色々な誤解や説明不足もあるとは思うが、我々も地方6団体の意見をよく聞いて修正に努めてきた。私たちのふるさとが成り立たなければ、日本も成り立たないことを一番の原点にして取り組んでいきたい。そういう意味では、町村長、町村議長の皆様のお話は、他団体よりも一層よく聞いて進めていかなければならないと思っているので、今後ともよろしくお願いしたい。」旨の挨拶がありました。 次に、礒崎陽輔事務局長代理から、法案の修正箇所について説明があった後、「道州制国民会議において道州制とはどういうイメージか一度きちんと作った上で、議論していただくために、まずはイメージを作るまでの法律となっている。今後は、12月13日までに具体的な意見があれば提出してほしい。」旨の発言があり、その後両団体の会長・副会長から意見が述べられました。 本会の主な発言要旨は次のとおりです。
【蓬会長】 ○去る10月8日に今村本部長へ道州制の基本法案に関する意見を申し上げるとともに書面で提出したが、これに対する回答は表面的なものであり、本会からの問題提起にしっかりと答えては頂いていない。 ○我々は道州制の議論の前に進めなければならないのは地方分権改革であり、更にこれを前進させることが大事であると申し上げている。骨子案の修正箇所について説明いただいたが、我々の意見に対して真正面から答えているとは感じられないので非常に残念である。 ○我々、町村議会議長会は平成20年の全国大会以来この道州制の導入には一貫して反対してきている。先月13日の第57回の全国大会においても断固反対する特別決議を採択し、政府・国会の方にも要請したところである。先生方にも我々の考えを真正面から受け止めて頂きたい。 ○我々が一番心配している中の一つに、道州制にすると、州都の方に、人もモノもカネも全部行ってしまって、地方の町村は衰退の一途を辿ることである。貴党はそんなことはないとおっしゃるが我々の考えとは合わず、水掛け論になってしまう。総理はいつも地方の元気なくして、日本の元気なしとおっしゃっている。道州制によって、地方が衰退してしまうと、結局国も衰退してしまう。
【中川副会長】 ○中央はどうなるのか。国会議員はどうなるのか、省庁はどうなるのか等が全く触れられていないので、具体的に示してもらわないといけない。痛みを分かち合うというのなら町村から中央まで全部が一緒になって、我々もこうするから地方もこうして欲しいというのが大事である。 ○国の1000兆円の債務についてもどうするのか。
【杣谷副会長】 ○道州制のイメージが見えてこない。町村はどうなるのか。例えば、青森県の場合、5万、10万、30万なり基礎自治体を作るとなると5つか6つしか残らないのではないか。そうなると人口6000人、7000人の町村は、結局そこに吸収されてしまい、我々が危惧する強制的な合併につながるのではないか。そういうことが無いように、一定の権限を持たせるという話があるが、そこも見えてこないので、不満というか不安を抱いている。 ○国民会議を設置し議論を行い、一つの道州制の姿を示したいのであれば、今の道州制推進基本法案のような法律ありきではなく、既存の会議や新たな諮問会議等で議論すればよいのではないか。 ○この前の回答の中に、道州制で国際競争力が高まり、経済成長につながるとあるが、具体的にどういう形で繋がっていくのか全然見えてこない。 ○法案が成立すれば、導入ありきで、我々の心配していることが、置き去りにされてしまうのではないかという非常に強い懸念がある。 ○町村の多くは、まだ合併の痛みが残っていて、これからどうしたら、行政サービスを改善できるか、道半ばなのである。その段階で、すぐに道州制ありきの議論は、時期尚早であり、全然議論にならない。なぜ、合併したばかりなのに、地方分権を含めて、そちらにもう少し力を注いでくれないのか。
出席者 (全国町村議会議長会) 蓬 清二 会長 (香川県直島町議会議長) 中川仁志 副会長(岐阜県大野町議会議長) 杣谷和穐 副会長(青森県外ヶ浜町議会議長)
(全国町村会) 藤原忠彦 会長(長野県川上村長) 谷口友見 会長代行副会長(三重県大紀町長) 白石勝也 会長代行副会長(愛媛県松前町長)
(自民党道州制推進本部) 今村雅弘 本部長 西村明宏 事務局長 礒崎陽輔 事務局長代理 うえの賢一郎 事務局長代理 橋本 岳 事務局次長 久世公堯 参与
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