平成18年12月18日、平成19年度予算編成に関する菅義偉総務大臣と尾身幸次財務大臣による折衝が行われ、地方財政対策が決着しました。 平成19年度の地方財政対策は、「国の取組と歩調を合わせ、人件費・投資的経費・一般行政経費の各分野にわたり地方歳出を厳しく抑制する」とした政府の予算編成基本方針に基づき、地方財政計画の総額は約83.1兆円で前年度比0.02兆円(△0.0%)減と抑制され、地方の一般歳出も約65.7兆円で前年度比0.7兆円(△1.1%)減となりました。 一方、地方の一般財源の総額は、約59.2兆円で前年比0.5兆円増となり、前年度の水準以上を確保しましたが、景気拡大などにより地方税が40.4兆円と前年度と比べ2.5兆円増加することから、地方交付税は約0.7兆円減の約15.2兆円、特例地方債は0.7兆円減の2.6兆円となりました。 なお、財務省が求めていた交付税法定率分を引き下げ、その分の財源を国債の償還に充てる「特例減額」は見送られることとなりました。 また、交付税特別会計借入金(残高53兆円)の計画的償還を平成19年度から開始することとし、国・地方の負担関係の明確化を図る観点から、国負担分(残高19兆円)は全額一般会計借入金に振替整理することになりました。地方負担分(残高34兆円)は平成18年度補正から計画的に償還を始めることなり、平成18年度補正(約0.5兆円)と平成19年度予算(約0.6兆円)を合わせて約1.1兆円の償還を行います。 「地方財政計画と決算との乖離(かいり)」の問題については、地方単独事業などの投資的経費を1.2兆円削減すると同時に、経常的経費(一般行政経費)を0.6兆円増額し、一般財源ベースで0.6兆円規模を同時一体的に是正することとなりました。 このほか、自治体が高金利時に財政融資資金などから借り入れた地方債について、3年間で5兆円規模の繰り上げ償還を補償金なしで認め、自治体の金利負担を軽減すること、平成20年度に廃止される公営企業金融公庫を引き継ぐ地方共同の新組織には、公庫が保有する引当金の約3兆4000億円全額を継承させ、うち約2兆2000億円を新規貸し付け業務に充てることも決まりました。 (総務省)
地方6団体は、地方交付税の総額確保について、「地方分権改革推進全国大会」(11月27日)の「決議」等を通じて、政府・政党・国会に対して強く要請を行いました。 また、公営企業金融公庫廃止後の新たな組織については、「地方分権改革推進全国大会」(11月27日)の「決議」のほか、「公営企業金融公庫廃止後の新たな仕組みについて〈制度設計骨子案〉」を地方6団体で取りまとめ政府に提出するなどして、新組織が住民生活に不可欠な社会資本整備に要する長期・低利の資金を安定的に確保するための組織となるよう、強く要請を行ないました。 全国町村議会議長会(川股博会長)においても、第50回町村議会議長会(11月22日)の「決議」や「要望」の中で、地方税財源の充実確保、公営企業金融公庫廃止後の新たな組織のあり方について、強く要請していました。
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