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岩手県西和賀町議会の事績

町民と議会が作った「財政白書」

1 議会改革の取組み

(1)議会基本条例制定までの経緯

 平成20年5月に議員8人で組織する西和賀町議会改革推進委員会を設置した。その後10ヶ月間にわたり計15回の会議を開き「議会のあり方」について検討した結果、西和賀町議会では、①政策提言ができる議会、②住民の声に耳を傾ける議会、③議論を通してお互いを高めあう議会、④議決事項の拡大を図っていく議会を目指すことが決まり、今後の議会活動の指針として、これらを明文化し住民との約束として位置づけるため、平成22年12月に議会基本条例を制定し、平成23年1月に施行した。

(2)財政勉強会

 議会に、町政全般の調査・研究を行い町政の運営に寄与し発展を図ることを目的とする任意の「町政調査会」を設置して、議会報告会、議員の研修及び勉強会等を行っている。
 このうち、町はどのようにお金を使い、その使われ方は妥当なのか、議会のチェック機能は働いているか、との思いから始まった「財政勉強会」では町民の参加も得ながら財政の仕組みを一から勉強し、勉強会発足から1年半後の今年3月には、町の財政状況などを経年で比較し分析した「町民と議員が作った財政白書」を発刊するに至り、議会の本来の役割である、政策づくりと監視機能の強化に寄与している。
 また、町政調査会では、個々の議員の資質向上を図るための取り組みとして、町政の課題解決に直結する先進地研修を実施している。

(3)政策研究会

 議会改革推進委員会における議論において、過疎化、少子高齢化が進行し、地域経済の停滞が続く中で、町として喫緊の対策を講ずべき課題は、「産業の振興を図り、若者の働く場を拡大すること」であるとの結論に達した。
 これら課題を克服するため、議会としては、議会基本条例により町が作成する基本構想及び基本計画を議決事項に追加し、議会閉会中に「政策研究会」を開催して、各種基本計画の概要調査と内容分析を行うとともに、担当部局からヒアリングを実施したうえで、議会として政策提言を行っている。
 議会基本条例制定以降これまでに、①農業振興プラン計画、②町立病院建設計画、③福祉計画、④教育振興基本計画、⑤男女共同参画プラン、⑥小中学校の学力向上、⑦第三セクターの経営状況等を研究課題とした政策研究会を開催している。

2 住民に開かれた議会

(1)住民の声を聴く会

 平成17年11月に旧湯田町と旧沢内村が合併して誕生した西和賀町にとって、合併後のまちづくりには住民の意見を取り入れることが必要不可欠であるとの判断に至り、初回は平成20年から平成21年にかけて全行政区の住民を対象に計22回にわたる「住民の声を聴く会」を開催し、住民からの意見、要望を聴取するとともに、議会活動の報告を行った。
 その後、対象をPTAや婦人会などの各種団体にも広げ、これまで35回、延べ554人の住民と懇談を重ね、聴取した意見や要望は執行部に周知したうえで、必要があれば現地調査や一般質問に取り上げるなど住民の声を町政に反映させている。

(2)有線放送を活用した議会傍聴の呼びかけと議会中継

 議会活性化方策の一環として、定例会の1週間前から会期、日程、議案一覧、一般質問の内容と登壇者を議会ホームページに掲載するとともに、町内の世帯及び事業所2,058ヶ所に設置されている有線放送を活用して周知し、住民に議会傍聴を積極的に呼びかけている。呼びかけに応じて傍聴に来た人には、議員に配布したものと同様の議案等を配布し、ナマの議論の臨場感や緊張感を感じてもらえるよう努めている。また傍聴がいることで見られる側の議員や、執行部も一層の緊張感を持って議会に臨んでおり、活発な議論に寄与している。
 議会中継については、庁舎や公民館等に対してはインターネットによる動画配信を行っているが、65歳以上の高齢化率が40%を超える町の実情に鑑み、各住戸に対する議会中継は、敢えて、高齢者でも簡単に利用できる音声のみの有線放送を用いて行っており、広く住民に活用されている。
 なお、この有線放送は、町のブロードバンド整備事業において町内全域に整備した光ファイバー網と全世帯に配したIP告知端末により、すべての住民に音声で防災情報と行政情報が伝わる仕組みになっている。

(3)議員の手による広報紙づくり

 議会ホームページには、議会の活動記録の概要を写真入りの記事で紹介しているほか、平成17年の合併後のすべての会議録及び議決結果を公開しており、誰もがいつでもこれらの資料を閲覧できる仕組みになっている。
 しかしながら、先にも述べたように高齢者の占める割合の高い西和賀町にとって議会広報紙が最も親しまれている媒体となっていることから、議会での審議内容に加え、議員の議案に対する賛否、住民の声を聴く会の報告、議長交際費の使途報告、議会用語の解説のほか連載記事として町内の老人クラブや小中高生の部活動の紹介記事などを掲載し、住民に親しまれやすい紙面づくりを行っている。
 また、議会広報紙の編集は、編集委員長を務める議長のほか4人の議員が編集委員となり、お互いに意見を出し合いながら企画・編集を担い、一般質問に関する記事については質問者自らが原稿を書くなどして、議員の手による責任のある広報づくりに努め、定例会終了後30日以内に発行するよう心掛けている。
 なお、臨時会が開催された時には、臨時会終了後2週間以内に議会広報「速報版」を発行している。

3 地域振興のための特別な取組み

(1)エコエネルギーへの取り組み

 岩手県が東日本大震災の被災県であることを踏まえ、甚大な被害をもたらした原子力発電に代わるエコエネルギーとして、町の地域特性を活かした小水力発電や風力発電の調査研究に着手し、執行部に対し提言を行っている。

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