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兵庫県播磨町議会の事績

1 議会改革の取組み
(1)議会基本条例制定
本町議会は議会の改革、活性化を推進するため、播磨町議会基本条例を平成23年4月1日に施行し、住民に「開かれた議会」「身近な議会」「わかりやすい議会」の実現を目指して、住民参加の政策提案や議会運営の改革を進めるとともに、行政に対する監視機能も高めていくこととなった。
(2)行政に対する監視機能の強化
播磨町では、本会議主義の議会運営を行っているが、住民生活に密着した慎重を期すべき議案に対しては、委員会付託、連合審査会での審査、全員協議会での協議・調整などの手順を経てから議決するなど、行政監視機能の強化に努めている。
特に、予算(決算)の審議では予算(決算)特別委員会を設置して、行政との緊張関係を保持した委員会運営を行った結果、平成23年度及び平成24年度一般会計予算案については修正案を可決している。
また、予算(決算)特別委員会の審査手法についても研究を進めており、これまで会計毎に審査していたものを、担当部署毎に審査するように変え、効率的かつ効果的な審査を行うとともに、行政の負担軽減を図っている。
(3)議決事件の拡大
次に掲げる町政全般にわたる重要な計画等については、議会基本条例により議決事件に追加して、議会と執行部が町民に対する責任を共に担いながら、計画的かつ町民の視点に立った透明性の高い町政を運営することを心掛けている。
- ① 基本構想(総合的かつ計画的な行政運営の指針)の策定、変更又は廃止
- ② 本計画(基本構想を実現するための基本的な計画)の策定、変更又は廃止
- ③ 播磨町都市計画マスタープランの策定、変更又は廃止
- ④ 町が他団体と結ぶ提携又は協定のうち、特に重要なもの
この規定に基づき、今般、播磨町都市計画マスタープランの見直しについて、慎重審議を行い、平成24年3月定例会において当案件を議決したところである。
(4)「播磨町まちをきれいにする条例」の制定
播磨町では、町内の環境美化への機運が高まり、条例化して環境美化の取り組みを積極的に進めようとする住民の声を受け、平成20年12月定例会において議員発議により、「播磨町まちをきれいにする条例案」が提案された。
同条例案は、当時の民生生活常任委員会に付託され、同委員会において、執行機関との協議や他の条例との整合性についての議論、先進地での調査研究、条例案に対するパブリックコメントの募集、罰則規定の必要性についての協議など約2年間にわたる慎重審査の上、平成22年12月定例会において修正案を提出し可決された。
同条例施行後、ことぶき大学(老人大学)や消費者協会、各自治会など約60もの団体によるクリーンキャンペーンが実施され、住民からの町内美化に関する苦情の件数が激減するなど、住民のマナーやモラルの向上につながっている
2 住民に開かれた議会
(1)議会報告会の開催
議会基本条例に基づき、町内の4ヵ所のコミュニティセンターにおいて議会報告会を開催しているが、会場の準備、資料の作成、当日の進行等は議員が行っており、事務局はその補助作業を行うのみとなっている。
また、議会報告会の開催にあたっては、行政広報及び議会広報のほか、各自治会長に依頼して周知をしてもらうなどして、多くの住民に参加してもらうよう努めている。
報告会は、本会議の審議経過の説明や審議結果の報告を行うだけでなく、議会や町政に対する意見交換を行うなど住民懇談会の機能を備えており、聴取した意見や要望は委員会での調査事項に取り上げる等して、町政に住民の声を反映させるよう努めている。
(2)議会広報紙の充実
播磨町の議会広報紙は、昭和44年8月20日に創刊し、平成24年度末現在で212号を発刊している。発刊回数は定例会後の年4回を基本とし、議会改選及び議長改選時には臨時号を発刊している。
播磨町議会では平成19年4月に、町政や議会審議の情報を議会の視点から広く住民に周知することを目的として、「議会広報公聴常任委員会」を設置し、議会広報紙の編集・発刊及び議会における広報公聴活動にあたっている。
広報紙の編集・発刊においては、一般質問の記事については質問を行った議員が、委員会の活動状況については各委員長が、原稿を作成しており、議会広報公聴常任委員は本会議での議案審議やその他の記事について担当を決めて原稿を作成・編集している。
広報紙には、議会活動報告のほかに、議案に対する各議員の賛否の状況、政務調査費の詳細な決算報告を掲載するなど、議会及び議員活動の透明化に寄与している。
(3)会議の公開及びインターネットによる会議録の公開について
平成23年4月から施行した議会基本条例に基づき、本会議や委員会、全員協議会などすべての会議を原則公開とし、議案や資料についても閲覧できるようにしている。
議事録については、ホームページ上に搭載した「議事録の閲覧検索システム」により公開するとともに、コミュニティセンターや図書館等の公共施設に配置し、広く住民に議会の審議状況についての情報を提供するよう努めている。
(4)議会ホームページ及び本会議の生中継・録画中継
議会の広報活動の一環として、議会ホームページを開設しており、議会の仕組みや運営、本会議や委員会の会議の内容、議員の住所等を公開することにより、多くの住民に議会に関心を持ってもらえるよう環境の整備に努めている。
また、平成19年度よりホームページ上で本議会のライブ中継及びオンデマンド放送を実施している。映像配信という手段により、多くの住民の方に議会審議に触れていただく機会が増え、これまで議会に関心がなかった住民や、関心はあったものの議場に足を運べなかった住民に議会を身近に感じてもらえるようになった。
また、ユニバーサルデザインへの配慮として文字サイズの拡大・縮小機能や背景色変更機能を備え、また色の判別がしやすいよう配慮している。
3 地域振興のために特別な取組みをした議会
(1)水害等の災害対策
播磨町はその地勢上、河川の溢水による浸水被害に悩まされてきた経緯がある。
そのため、播磨町議会としても、東日本大震災以前から、高潮や浸水などの災害対策について常に関心を持っており、防災に強いまちづくりを目指し調査研究を行ってきた。
防災行政無線の更新の際には、無線放送の音量や質について広く住民からの情報収集に努め、それらのデータを基に行政に対し客観的な提言を行った結果、防災行政無線がより効果的に活用されるようになった。
また、豪雨などで無線放送が聞こえない事態を考慮し、携帯端末へのエリアメールの有効性を提言し、導入の実現に至っている。
東日本大震災以降は、兵庫県が策定した兵庫県津波浸水想定区域図(暫定)をもとに、津波からの「逃げ遅れ解消」のための一時避難所(津波避難ビル)の指定に尽力し、平成24年度末現在で7施設を津波避難ビルに指定するに至っている。
さらに、先の兵庫県の揖保川の氾濫に伴う佐用町の水害や東日本大震災の折には本町議会議員も現地に赴き支援活動に携わるなど町外の支援にも積極的に関わることにより、被災地の支援のみでなく本町における防災対策に反映させている。
(2)JR及び山陽電鉄駅舎のバリアフリー化
播磨町内には、JR「土山駅」と山陽電鉄「播磨町駅」の二つの駅が存在しているが、両駅とも改札からホームにかけて階段で昇降しなくてはならず、高齢者や障がい者の円滑な利用には支障があった。
播磨町議会は、これら駅舎のバリアフリー化を求める住民からの要望を受け、兵庫県や事業者と協議を行った結果、JR「土山駅」は平成15年12月に駅舎にエレベーターとエスカレーターが設置された経緯がある。
一方、山陽電鉄「播磨町駅」については、1日あたりの乗降客数が国庫の補助要件に該当しないことや、事業者の設備投資力の面から協議は難航していたが、議会では人にやさしい駅を望む住民の声や、播磨町役場庁舎をはじめとする公共施設が隣接していることの重要性等を説き、バリアフリーの早期実現に向けて協議を根気強く継続した結果、国庫補助の条件が緩和された平成23年度に山陽電鉄「播磨町駅」のバリアフリー化が決定し、平成24年度より着工の運びとなった。
(3)住宅リフォーム制度の創設
長引く不況の中、地域経済の振興や消費の活性化を促す効果があると判断し、当議会は住宅リフォーム制度の創設を長年にわたって執行部に提案してきた。
その結果、平成24年度予算において、町内産業の活性化と住環境の向上を図るため、町内業者の施工により住宅リフォームを行う者に対して、20万円以上のリフォーム工事を対象に工事費の10%(上限10万円)を限度とした住宅リフォーム制度が創設された。
この制度は住民や町内業者から好評の声をいただき、当初見込みを超える申請を受けたため、今後については申請者数の制限などの歳出面での見直しについて検討を進めるよう行政に提言している。
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