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令和4年01月13日

南雲会長 新春ご挨拶（議員研修誌 地方議会人１月号より）

　令和４年の年頭に当たりまして謹んで新春のお慶びを申し上げます。
　全国町村議会議長会の会務運営及び諸活動につきまして、旧年中に賜りましたご理解とご協力に深く感謝申し上げます。
　私の地元雪国・越後湯沢は、全国でも有数の豪雪地帯ですので、雪化粧の中、新年を迎えました。
　本年が皆様にとりまして穏やかな年となりますことをお祈りいたしますとともに、変わらぬご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

　昨年もまた、一昨年に続き、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない日々が続きました。ワクチン接種が進む中、昨年夏の変異株による感染拡大時には、全国的に感染者数が増加し、病床のひっ迫や経済の低迷等、各方面に甚大な影響を及ぼしました。
　同時期には、東京オリンピック・パラリンピック2020が無観客開催となりましたが、自国開催での日本人アスリートの活躍は、緊急事態宣言下において、私どもに勇気と元気を与えていただいたと感じております。
　今年こそ、この感染症が収まり、普段の日常生活を取り戻し、皆様が笑顔で暮らしていける社会となることを願っております。

　本会におきましては、７月上旬の都道府県会長会、11月の議長全国大会において、感染症対策の徹底、地方交付税等の一般財源総額の確保・充実等、住民生活の安全・安心の確保に向けた様々な要望を決定し、鋭意要請活動を展開して参りました。
　各地方公共団体においては、コロナ禍の中で地域経済の減退は免れず、行財政運営への影響が懸念され、特に財政力の脆弱な町村では、いかにしてこの難局を乗り越えていくかが喫緊の課題となっております。全国各地の感染状況を注視しつつ、実効性ある対策が講じられるよう、国に対し、引き続き強く働きかけて参ります。

　一方、町村議会に関する取り組みとしましては、今年度事業である議員報酬の見直し状況と政務活動費の活用状況について実態調査を進めて参りました。
　コロナ禍にあって、現地調査はなかなか困難な中、ご協力をいただきました町村議会の皆様に感謝申し上げます。
　今後、議員のなり手不足解消に向けた環境整備の観点から、低額な町村議会議員報酬をどのようにして改善していくか、都道府県議会、市議会と比べて条例制定率が低い政務活動費をどうすれば活用する方向にもっていけるか、本年２月には報告書を取りまとめ、各町村議会にお示ししたいと考えております。
　また、本年初頭には、内閣総理大臣の諮問機関である第33次地方制度調査会が設置される見込みとなっております。
　本調査会は、学識者や地方の代表者による地方行政全般にわたる議論が行われ、意見集約の後、制度改正がなされてきており、地方議会制度も俎上に載ることが予想されます。
　議論の進捗状況を見据え、町村議会の現場の声を伝えていきますが、地方自治法に地方議会・地方議員の位置づけを明確化すること等、地方議会の機能強化を図るべく、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会と連携して主張して参ります。　

　昨年も、８月中旬の前線の停滞による記録的な大雨では、広範囲にわたり土砂災害や河川の氾濫、低地の浸水が発生しました。
　また、東日本大震災、熊本地震等の被災地は、いまだ復興の途上にあります。大規模な自然災害は、毎年のように起こっており、国民の生命・財産を守るため、大規模災害対策の推進とともに、被災地に寄り添った支援体制の充実を訴えて参ります。
　加えて、町村の基幹産業である農林水産業・商工業の振興や社会福祉対策等、様々な分野において、都市と農山漁村が共生する持続可能な社会構築に向けた要請を行って参ります。

　今日では、少しずつ元の生活に戻りつつあるものの、これまで当たり前だった日常が変わってしまい、なかなか議会と住民が膝を突き合わせて語らう機会が持てません。改めて、地域の方々との関わりの大切さを痛感しております。
　町村議会は、住民に最も近い存在として、日々の暮らしを通しての住民の思いを行政の施策に反映させるという大きな役割があります。
　議会を通じて、また、議員として、様々な地域の声を町村の行財政全般にわたり現状と照らしながら、委員会や本会議における議員間の議論によって、その町、その村の方向性の意見集約を図り、ひとつの道筋をつけていくことが重要です。
　「ここに住んでよかった」との幸福感を共有できるようなまちづくりを目指し、私は、議長として、また、全国会会長として、「おくせず、ひるまず、くっせず」の精神で邁進し続けたいと存じます。
　全国926町村議会が結束して生まれる力、これこそが本会の力の源泉であります。
　本年も、皆様方と連携・協調を図り、全国の町村議会の声を国や関係方面に強く訴えるべく全力を傾注する所存です。
すべての町村が将来にわたって明るい展望を切り開いていくことができますよう、重ねて、皆様のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。
　終わりにあたり、各町村議会のますますのご繁栄、ご発展を祈念申し上げまして、新年のご挨拶といたします。

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